第9回をはじめます。
いつものように、社会調査法入門Q&A から。
つぎに、1920年以前のアメリカの話に移ります。
まず、アメリカの歴史-1920年代までを確認しておきましょう。
1920年代以前は、手工業的段階で、調査費用が貧弱でした。
親方や職人のような1人の中心人物の個人的興味や着想に基づく仕事を1~2名の助手(弟子)が助けるかたちで進められました。
標準化された一定の段取り・手法などを使うことが少なく、秘伝的性格を帯び、入念ではあっても正確性や信頼性に欠ける調査方法でした。
1920年代に入り、哲学的・思弁的学問から実証的な性格への社会学として少しずつ変わっていきます。
1920年代のアメリカ社会学では、これまでの成果と心理学実験の技術を取り入れた学術調査が行われました。
ホーソン実験(1924−1932)は、心理学や経営学を学ぶ際、よく話される実験です。
アメリカのシカゴ郊外、ウェスタン・エレクトリック(WesternElectric)社のホーソン工場における実験です。
「職場の物理的な環境条件ではなく、人間関係が生産性に影響するなど、生産性の向上には人間的側面が重要である」ということを突き止めたことで有名です。
次回につづきます。今日はここまで。